日本財団 図書館


 

3.2 見学会
3.2.1 横河電機(株)甲府事業所 平成8年11月19日
横河電機(株)甲府事業所は、1974年操業の典型的な多品種少量生産の工場である。多品種少量生産に対応するため、社内の2つのプロジェクトを結合して実現している。1つは、営業から入ってくる顧客のオーダーを受け、作業をコンピューターで平準化、そのうえで製造ラインに着工を指示する。オーダーから納入まで11日間を要するある製品では、6日間の製造日数を差し引き、残りの5日間を作業の「ヤマならし」と輸送などに費やす仕組み。関連合杜を近隣に持ち、そこから使用頻度などに応じて部品を納入させ、物流・在庫管理面で徹底的に無駄を省いている。一元管理で部品データベースを核にしている。もう1つは、工場のCIM(Computer Integrated Manufacturing)化により生産管理と生産の自動化を図ったものである。CAD(コンピューターによる設計デザイン)情報、部品情報などからCAM(コンピューターによる自動生産)データを作り、インサータラインのコンピューターに実装し、事業所内の生産技術部で板金加工のCAMデータを作成し、オンラインで機械加工工場に流している。
このリンクによって設計の上流から生産の下流行程まで一貫した情報管理が可能となっている。この結果、部署間での情報の受け渡し時に発生していた無駄、ミスの排除に大きな効果が得られている。また、各部署で必要なデータのデータベース化が進み標準化も浸透している。
また、92年に技術情報管理システム「YEOS」を開発・導入。この結果、CAD−CAD間のリンク、データベースの一元管理、部品管理システムによる部品の標準化、付帯作業サポート機能による製造ラインでの試作実現、統合化部品データベースによるエンジニアリング情報・技術ノウハウ格納や設計・生産デー一夕共有の実現が可能となった。
社名:横河電機(株)甲府事業所
所在地:甲府市高室町155
TEL:0552−43−0300 FAX:0552−43−0390
資本金:32,306百万円
操業年月日:1974年
主力製品:レコーダ(工業用精密記録計)、高周波の波形を測定するデジタルオシコスコープなどの測定器、流量や圧力などを電機信号に変換する伝送器である。
従業員:約900人。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION