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◇ CALS推進セミナー(対象:情報化推進担当者)
3.1.3 「CALSの現状とイネーブル・テクノロジー」
講師:江澤智氏 東京会場 平成8年12月20日
江澤氏は、元総合商社に勤務するうち、欧米と日本のビジネスプロセスとこれらをサポートするソフトの格差を痛感し、コンサルタンツ企業を設立し合せて海外大手ソフト企業の極東代表を努めており、PDM分野の国際会議・セミナー等で活躍中である。本講習は、会員企業のシステム担当者に対し、激動するCALSの進展の現状と、現時点で企業の取り組みの糸口を示唆することにある。
講演は、CALSの現状について、全般的な説明と流動性のあるなか現時点でのCALS時代への入り口の基本は、?PDM(プロダクト・データ・マネージメント:製品データ管理)構築の必要性(CALS社会、ISO9000シリーズ、製造者責任法への対応等)の説明と?BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング:業務改善)の取り組み無くして、CALS社会へのアプローチは不可欠としてIDEFの機能紹介があった。
IDEF(ICAM(Integrated Computer−Aided Mamufacturing) DEFinition)は、「仕事の流れを記述技法」として、元々は米空軍が1機種の航空機を複数のメーカ一に分割発注する際、発注仕様を標準化するために開発した。航空機製造の効率化、高度化を図るためのコンピュータ利用のプロジェクトで主契約社は米SoftTec社であった。同社は自ら開発していたSADT(Strutured Anaiysis and Design Technique)と言うIDEOの雛形となった構造化分析設計手法を開発していた。
S社はIDEFを利用して主要航空機メーカの業務分析し、参加業種に共通な諸活動をモデル化することにより、製造アーキテクチャを開発した。参加企業間の情報交換が進み、統合化された製造システムに関する共通のベースが出来、IDEFの有効性が認識され米国で普及が始まった。IDEFの全モデルは開発予定の7種を含め16機能分あるが、現時点ではIDEF‐0、1、1Xが欧米で盛んに使用されている。CIM、CALS、コンカレントエンジニアリングと言った分野でIDEFの使用を義務付けたり推奨されてきた。企業の経営戦略を実践する上でBPRのツールとして、近年IDEF‐0、とIDEF‐1xの日本語版も出てゼネコン等の分野で導入が進んでいる。

 

 

 

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