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第2章 舶用工業における情報化の現状

 

我が国の舶用工業分野に従事する企業は、(社)日本舶用工業会会員企業数として二百数十社を数え、国内外の多種多様な船に搭載する多様な機器・製品を製造・販売している。業種的には、ディーゼル機関、電気機械、ポンプ、プロぺラ、甲板機器、航海計器、制御機器などがあり、業種的な特徴を持つとともに、業種内での企業規模にも大きな差異が見受けられる。
本章では、高度情報化という視点から、高度情報化システム構築に当たる前提として、舶用工業の現状業務プロセスを把握すると共に、(社)日本舶用工業会会員事業者が持つ高度情報化に対する意識や企業としての取組みについてアンケートを通じて分析し、その特徴と今後の方向性を検討する。
2.1 舶用工業の現状業務プロセスモデル及び情報の流れ
舶用工業の高度情報化事業平成8年度の取組みの1つとして、舶用工業の現状業務プロセスのモデル化を舶用工業メンバー企業の参画を得て実施した。
本項では、以下の業種別ワーキンググループの活動を通して、舶用工業の現状業務をプロセスとやり取り情報(データ)の両側面から検証し、高度情報化の視点から、舶用工業の特徴を明らかにする。
WG1:ディーゼル機関
WG2:電気機械・ボンプ
WG3:プロペラ
WG4:甲板機械
WG5:航海計器・制御機器
2.1.1 現状業務プロセスの内容
(1)現状業務プロセスモデルとは
舶用工業の高度情報化への取組みに当たっては、まず舶用工業の実態を把握する必要がある日現状の把握によって実態がどのような特徴を持っているか、次にどこに問題があり、問題をどのように解決あるいは変えていくことによって高度情報化が実現できるかを示す。
今回、業種別のワーキンググループの活動として行った業務プロセスモデルの作成は、この現状把握を、現状業務が何を出発点として、どのように行われるか。また業務遂行の結果として何が生み出され、それがどの業務に影響を与えるか、あるいは伝

 

 

 

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