日本財団 図書館


【第2回造船・舶用工業高度情報化推進委員会(平成9年3月12目)資料5より抜粋】
舶用工業の高度情報化のグランドデザインについて

 

舶用工業の高度情報化はその性格から大きく2つに分類される。一つは造船業における高度情報化の流れを受けて、舶用工業が必然的にその実施が求められるものであり、もう一つが、舶用工業本来の効率向上・活性化を目的として(自らの意志で)進められるべきものである。ここでは、後者について以下に記す前提条件の下で検討する。

 

造船業とは異なり、舶用工業は業種が多様であり、且つ、1業種当たりの企業数も必ずしも多くなく、また、企業規模についても中堅・中小企業が多い。そこで、舶用工業のグランドデザインの検討に当たっては、これら産業の特徴を踏まえて、情報化を進める際の事業経営の形態から、【個別企業単独での取組】、【他の舶用機器メーカー等との企業間協調(間接部門等の協業・アウトソーシング)】【他の舶用機器メーカー等との企業間協調(個別企業単独での取組)】の3タイプ(注)に分類して検討した。

 

注.これらのタイプについては、舶用工業全体が将来的にいずれかのタイプに当てはまる形で情報化を進めるというものではない。寧ろ、舶用工業内の各業種、個々の企業がそれぞれの特徴、経営判断を踏まえて何れかのタイプ又はこれらの中間的なタイプのような形態で情報化技術の活用が進められるものと考えられる。

 

タイプ1:個別企業単独での取組
現状の企業の事業形態を維持し、一社で営業から設計、建造、保守等の舶用機器メーカ一としての業務の全てを行う。この場合、このタイプに該当する舶用機器メーカーの効率(国際競争力)向上は、各種情報化技術の活用による既存の業務の省力化・迅速化等に限定される。

 

タイプ2:他の舶用機器メーカー等との企業間協調(間接部門等の協業1アウトソーシング)
現状の企業形態を基本的に維持し、機器の設計・製造に直接関連する業務については、個々の会社が独自に行う(「タイプ1:個別企業単独での取組」に同じ)、一方、付帯業務・間接業務については、社外により効率的な業務サービスを提供する会社が存在する場合、又は、自社の社内業務を独立会社化した方が業務効率が向上する場合、積極的にアウトソーシングを行う、高度情報化技術は、このような業務のアウトソーシングを1これまで以上に容易且つメリットを得やすいものとし、個別企業においては単なる社内業務の情報化以上の効率向上が期待される。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION