1.1 現図システムの概要
既存のシステムでは、一般に次のような流れで構築されている。
(1)フェアリング
(2)ボディプラン作成
(3)ランディング
(4)外板展開・内構材展開・各フレーム展開
(5)ネスティング
(6)切断情報出力
以上、フェアリング作業から切断情報出力までの一貫した流れを、コンピュータを使ってシステム的に処理を行う。現尺現図との相違点は、床上の作業がコンピュータに変わることである。
1.2 現図システムとNC切断機
NCとは数値制御を意味し、言い換えれば部品形状を数値化することにある。現図システムのNC化の目的は、生産性の向上・技術者の育成・作業の効率化であるが、NC切断機の導入又はそれに変わる何らかの手段がなければ、数値化された部品を処理することは不可能に近い。又、NC切断機が導入されていても、上流の現図システムがなければ同じことが言える。
1.3 システムの導入にあたって
システムを円滑に運用するためには、計画的に整備し実行しなければならない。
・導入時期
・稼働計画
・作業手順の見直しと標準化
・部品記号及び各種記号の徹底
・作業範囲
若手技術者の育成には、現図熟練者の指導が必要である。長年培ってきた、フェアリングや展開の技術は、手段が変わっても考え方は同じである。できればその手法をマニュアル化し、作業手順の標準化を図ることも、一つの方法だと考える。
1.4 現尺現図とNC現図作業の比較
現尺現図から現場(マーキン)へ出力されるのは、フィルム型・スチール・テープ(定規)等、現寸型の情報であるが、NC現図ではNC切断が最終目的であるため、自動切断のための情報を出力しなければいけない。
従って、
・一鋼板に無駄なく部材を配置するネスティング作業
・効率良く切断するために切断経路(カッティングシーケンス)の挿入
等、現尺現図ではなかった、新たな作業が発生する。
しかも、コンピュータで運用するため、部品管理の面においても効率の良い管理方式を取り入れ、充実させる必要がある。
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