日本財団 図書館


 

4−2 雑海藻駆除、海底耕うん船事業
4−2−1 海域によって異なる雑海藻駆除の方法概要
北海道近海には日本海側の対馬海流(暖流)と太平洋側の親潮(寒流)という異なった海流があるため、海底に生息する海藻についても異なった状況を呈している。
<海流の大勢図>

164-1.gif

<食用昆布の分布>

164-2.gif

・日本海
日本海側は暖流の影響で石灰藻類が繁茂しやすく、このため他の藻類が生育しにくくなり、いわゆる「磯焼け」が発生する。石灰藻類は海底にこびりつくように発生するため駆除が難しく、駆除するためには海底を器具によって削り取る(引っかく)ことが必要である。
・道東太平洋
道東太平洋(釧路、根室地方)沿岸はナガコンブなど優良コンブの産地して知られているが、近年は流氷接岸がなくコンブ漁場には大量の雑海藻が繁茂しコンブの生産性が著しく低下している。同海域に発生する雑海藻は全長2〜4mのスジメ、アイヌワカメや直立して生育し全長7〜8mにもなるウガノモズク、ネブトモクなどの大型褐藻類である。さらには、大型で大量に発生するスガモがある。雑海藻を駆除する方法としては大型のクレーン船等に機械式駆除機を搭載して広い海底を大掛かりに行うこととなる。
・道南太平洋
内浦湾から亀田半島にかけての沿岸(特に、南茅部町、恵山町、戸井町)は高級コンブとして知られるマコンブの生産地である。この海域は海面を計画的に利用しているところでもあり、道東太平洋岸とは異なって、雑海藻駆除も細かい区画をていねいに行う必要がある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION