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4−2 B社ケーススタディ(修繕造船所)
4−2−1 会社概要
1)全社売上高(平成8年度見込)約800百万円従業員数36名
2)事業内容
修繕を主体とした船舶工事年間工事隻数約60隻
4−2−2 経営における特色

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B社では、上記特色を活かし、技術志向型の修繕工事を主体とした事業展開を図っている。ここで特筆すべき点は、「事業ドメイン(生存領域)」においても指摘したように、技術力が経営の中核として据えられ、技術関連情報の受発信を行うことが自社の存在意義と定義づけた上で、独自性の極めて高い経営を行っていることである。
4−2−3 今後の経営方策
B社では、社長の明確な事業ビジョンにより、自社の強みを「技術力・提案力」に位置づけ、建造ではなく付加価値技術提案型の修繕工事を主体とした戦略をとっている。今後、この方向をさらに強化し当社の経営をより堅固なものとするため、以下の方策が考えられる。

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本報告書では、B社を修繕特化型のモデル造船所と位置づけ、上記2の経営方策(修繕船に関する市場の確保と営業エリアの拡大)に対する経営方針として、業界の「今後とるべき経営方針」で掲げた「石狩湾新港における作業船修繕能力の増強」を提言する。経営にかかる具体的な提言としては、フローティングドックの所有(新規設備投資)による拠点形成の実現を検討しており、既存の修繕機能のない石狩湾新港において、作業船の修繕需要への対応を図ることを目的としている。以下においてその提言の実現可能性を市場面、財務面、諸規制面から考察することとする。

 

 

 

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