4 モデル造船所のケーススタディ
ケーススタディを行うモデル造船所としては、作業船の造修に積極的に取り組んでおり、かつ、ヒアリング等に協力の得られる造船所2社を選定した。
4−1 A社ケーススタディ(建造造船所)
4−1−1 会社概要
1)全社売上高(平成8年度見込)約1,300百万円従業員数35名
2)事業内容
建造を主体とした船舶工事年間工事隻数約10隻
4−1−2 経営における特色
A社では、上記特色(強み)を活かし、社長の強力なリーダーシップのもとで、起重機船も含めた作業船の新造を中心に事業展開を図っている。
特筆すべきなのは、クレーンの地場搭載も含めた起重機船の建造も行っている点である。この場合、クレーンの北海道までの運搬には、貨物船をチャーターして行うことで対応し(貨物船チャーター料約5百万円)、顧客には回航費の節約をメリットとして提供することが可能となった。
こうした成功の背景にあるのは、当社の営業活動を主体とした受注のための仕組みづくりか功を奏してきたためと考えられる。上表「営業努力の徹底」でも示したように、海洋土木事業者に対して積極的なPR(道内建造メリット、技術面・価格面での自社能力の高水準)を行うと同時に、仲介商社に対しても同様に働きかけ、商社からの受注ルートを抑えるよう取り組んでいる。
現状、当社の営業展開は次頁のようになっており、こうした仕組みを今後さらに体制強化していくことが、受注の安定化に繋がるものと考えられる。
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