5.5.3 断面係数の計算
(a)計算は船体中心の片側について行い、最後に2倍する。
(b)任意の位置に仮想の中立軸(ANA)を設定する。
通常べースライン上深さの40%〜50%に定めるとよいが、横肋骨構造の船底外板凹損状態では60%〜70%に設定する。
(c)ANAの上部について、各算入部材の寸法及びANAからの距離(l)を求める。
(d)各算入部材の面積(a)、ANAに対するモーメント(al)及び面積二次モーメント(al2)をそれぞれ計算する。面積の単位はmm2、互の単位はmが便利である。
(e)名算入部材のセルフI(i)を計算する。iは垂直部材のみ計算すれば十分である。例えば船側外板、縦桁のウェブ等である。傾斜の大きな船底外板、ビルジ外板のセルフIは5.5.2(3)による。
(f)a,al,al2及びiの夫々の和を求める。
(g)ANAの下部についても全く同様の計算を行う。
(h)ANAより上部及び下部のa,al、al2及びiの夫々の和を求める。この場合、モーメントalについてはANAより上部を正、下船を負とする。このようにして求めたのが
面積A=(Σa)上部+(Σa)下部
モーメントM=(Σal)上部−(Σal)下部
二次モーメントIA=(Σal2)」上部+(Σi)上部+(Σal2)下部+(Σi)下部である。
ここで求めたIAはANAに対するものであるから、正しい中立軸を求め、それに対するIを求めなければならない。
(i)中立軸の決定
中立軸は次式で求める。
yはANAからの距離であり、値が正の場合はANAより上側に、負の場合は下側にある。
(j)中立軸からの最大距離の決定
中立軸が定まれば、中立軸から上部及び下部の最も遠い部材までの距離yD、yKを求める。この場合、計算に算入した部材を対象とする。ただし、甲板側は甲板のキャンバーを無視して船側における上面までの距離をとる。
(k)中性軸に対する断面二次モーメントを次式から計算する。
(1)甲板側及び船底側に対する断面係数ZD及びZKを次式から計算する。
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