図5.22
表5.44
舵軸位置は舵上端で断面積の最大厚位置に近く置くようにし、舵下端を後退させて(前縁のみ後退させることが多い)舵圧中心と舵軸心との距離を計画値に合わせる。
実船において舵の直圧力を計測することはかなり困難である。舵軸の曲げモーメントを計測するのであるが、船外において速い水流の中でひずみ計のリード線を安全に保持するのには困難が多く、実測した例は極めて少ない。船内でトルクを計測するのは種々の方法があるが、いずれも軸受部の摩擦力の加わったものになる。舵圧が大きいときは、この摩擦トルクはかなり大きく舵トルク以上にもなり、しかも軸受部の仕上げ精度が大きく影響する。昭和初期に高速艦艇の舵取機械が蒸気式から電動油圧式に変わった時期、新造駆逐艦の舵取機械の多くが油圧オーバーで安全弁が噴いたことがある。同型の駆逐艦の初期の艦は蒸気舵取機で間題がなかったが、原因は舵軸管、舵頭管、重量受面の仕上げを別々にボーリング機械をセットして削っていたため、軸心に狂いが出ていたことが分かり、一回のセットで全部を同一軸心で削ることに改めて問題はおさまった。蒸気機械はオーバーロードが効くので摩擦過大でも問題を起こさなかったが、油圧式機械の安全弁が正直に摩擦過大を示したものであって、この間50%近くも過大なトルクを発生していたことになる。舵軸位置は舵上端で断面積の最大厚位置に近く置くようにし、舵下端を後退させて(前縁のみ後退させることが多い)舵圧中心と舵軸心との距離を計画値に合わせる。
実船において舵の直圧力を計測することはかなり困難である。舵軸の曲げモーメントを計測するのであるが、船外において速い水流の中でひずみ計のリード線を安全に保持するのには困難が多く、実測した例は極めて少ない。船内でトルクを計測するのは種々の方法があるが、いずれも軸受部の摩擦力の加わったものになる。舵圧が大きいときは、この摩擦トルクはかなり大きく舵トルク以上にもなり、しかも軸受部の仕上げ精度が大きく影響する。昭和初期に高速艦艇の舵取機械が蒸気式から電動油圧式に変わった時期、新造駆逐艦の舵取機械の多くが油圧オーバーで安全弁が噴いたことがある。同型の駆逐艦の初期の艦は蒸気舵取機で問題がなかったが、原因は舵軸管、舵頭管、重量受面の仕上げを別々にボーリング機械をセットして削っていたため、軸心に狂いが出ていたことが分かり、一回のセットで全部を同一軸心で削ることに改めて問題はおさまった。蒸気機械はオーバーロードが効くので摩擦過大でも問題を起こさなかったが、油圧式機械の安全弁が正直に摩擦過大を示したものであって、この間50%近くも過大なトルクを発生していたことになる。
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