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役目をする。水密隔壁の立防撓材、船首尾部の外板防撓材、船底平坦部の外板防撓材、甲板室壁の防撓材が本来の防撓材の役目をする。
防撓材の取り付けに当っては、まず取り付けられる板とのバランスが必要(防撓材の断面係数、フランジとウエブの厚さ)であり、次に端部において剛性の急激な変化を避けねばならない。すなわち適当なブラケットで他の防撓材に連結させるか、またはブラケットを用いないときは、溶接で端部を直交部材に直付けするか(クリップ)、フランジを切り、ウエブをテーパーさせたスニップエンドとする。この端末の固着法が適切でないと悪い影響がある。
4.船体中央()から前後それぞれ0.2Lの間を0.4Lといい、これを船体中央部という。(0.5Lをいう場合もある。)ここは縦方向の曲げモーメントがもっとも大きな箇所であるので、縦強度部材はこの間を寸法一定で全通させねばならない。中央横断面の断面係数を計算する場合にも、O.4Lに全通する縦強度部材のみを有効として採用している。
5.二重底内のタンクの区画(水密肋板の配置)、水密隔壁の位置、船楼端隔壁の位置、主機関台の位置(側桁板の配置)、倉口・機関室口の大きさ(甲板下縦桁の配置)、梁柱の位置、特設肋骨、特設梁の位置、マスト・デリック・ポストの位置、などに注意を要する。
構造が連続し、力の伝達が滑らかに行くこと、開口部の補強、集中荷重を受ける場所の力の散らし方に注意を要する。
6.リベット・シーム(鋲縦縁)箇所、ブロック分割の箇所は溝造図を画く前に決めておかなければならない。ブロック分割については、工程とかクレーン容量とかも考慮の対象となる。リベット・シームはぜい性破壊の伝わるのを防止する意味で望ましい(NKではL60m以下は不要としている)が、リベット工の払底のため、だんだん廃止の方向に向い、その代り鋼材を高級にすることが多くなってきた。防撓材の端末の処理、切り抜き孔の位置と大きさなどにも工作標準があり、詳細図ではその指示が必要であるが、基本図でもこれを考えて非常識な図面を画かないようにする。
7.運輸省令にもとづく通達によるものに小型鋼船構造基準(近海L≦60m、沿海L≦90m)小型油タンカーの構造基準、鋼製漁船構造基準(L≦80m)がある。日本海事協会(NK)の鋼船規則は、L≧30mの入級船に適用できるが、入級船でなくても、構造の参考としてこの規則を利用できる。
8.外板、平板竜骨、中心線桁板(単底のときは中心線内竜骨)、内底板縁板、(船底縦肋骨、内底縦肋骨、縦通梁、船側縦肋骨)、甲板口側線外の強力甲板および第二甲板、舷縁山形鋼または舷縁平鋼。(( )内は縦式構造の場合のみ)
9.(a)FLATBAR(フラット・バー)平鋼
(b)FLANGE(フランジ)曲線
 
 
 

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