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3.5.4 船楼とその附近の構造
 
一般に船首楼もしくは低船首楼(上甲板がこの部分で半段下ってその上に船首楼があるもので、小型船では前方の見通しをよくするため採用される)を設けることが強制されているが、これは船首の乾舷を大にして荒天時の凌波性を増す意味であるから、上甲板だけでも乾舷の十分ある船とか、船首の舷弧の高さがとくに大きい船で船首の予備浮力が十分ある場合には船首楼を省略してもよい。船首楼は操舵室からの前方下方の見通しの妨げとならないようにする必要がある。
船首楼の外板および甲板の寸法の決定には、波の衝撃を考慮する必要がある。
船尾楼の外板は(その下部も含めて)曲がりがきついので熱加工(火造り)をひどく行なうことが多く、加工瘠せや腐食がはげしいことがあるので、厚さを少し増した方がよい。
船橋楼が長い(0.15Lをこえる)場合にはこの部分が縦曲げ応力を受持つことになるので、とくにその両端と上甲板の部分に注意を要する。この箇所を船楼端部といい、第3.36図のような補強を必要とする。つまり、上甲板の舷側甲板は船楼内に延長し、その厚さを船楼のない場合の厚さの20%増しとし、船楼外板は船楼端での形状の急激な変化を避けるよう、漸次その高さを減じながら船楼外に延長し、舷側厚板に連続させ、この部分は船楼側部の外板の厚さの20%増しとする。
 
 

第3.35図縦式構造の二重底

 
 
 

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