のように普通の軟鋼では板厚が極度に厚くなってしまうのを防ぐため、強度の高い板を用いて工作を楽にし、船体を軽くするなどの場合がある。そのために炭素の含有量は増さずに(炭素の含有量を増すと強くはなるが、同時に硬く脆くなり工作上困る)、マンガン、ニッケル、クロム、モリブデンなどの元素を加え、さらに焼入焼戻などの調質によって強度を上げた高張力鋼がある。これをHT(ハイテン)とよび、引張強さによって、50、60、70、80、100キロ級ハイテンがある。
鋼材の規格には、一般には日本工業規格(JIS)が用いられ、鋼船構造規程もこれによっている。NKは独自の規格を作っており(NK材)、大型船(NK入級船)はこれによっている。
第1.2表 溶接構造の船体に使用する鋼材の材料規格(船舶検査心得)
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