BEAUFOY、JOSSELの式による35°のトルクの計算値は大きくなるが小型船では旋回を始めるのが早いので、実際にはこのようなトルクは生じない。後進時の舵トルクを計算すると相当大きい値となることがあるが実際にはそのようなトルクは発生しないから、バランス比決定の際後進トルクは考慮しないでよい。
旋回を始めると船は旋回口の外側へ横流れするので舵への流人角が減少、蛇の力も減少し、また舵正中心は前進する。同時に旋回に伴う速力低下は舵の力を減少させるが、一方推進器のスリップの増大を通じて間接的に舵の力を増加、舵正中心を前進させる。さらに旋回中の伴流は直進時と大きい差があるので、これも舵の力と舵正中心に大きな影響をもつ、これらの要因のために旋回中の舵の力、特に舵軸トルクは複誉な変化を示し、BEAUFOY,JOSSELの式とは相当相違することが多いが、現在のところ、両計算式が一般に使用されている。
2.4.2 舵面に加わる力
第2−10図において・ABを舵面、舵角をθdeg、舵にあたる水流の速度をυm/secとすれば。図示の圧力分布面積の合計が舵の垂直圧力、即ち舵圧Pnで、Pnの作用中心が舵圧中心Q、舵面に沿って水の摩擦力がPt、舵が受けるPn、とPtの合力が舵力P、さらにP
第2−10図
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