日本財団 図書館


 

2.2.6 内航油送船に関する一考実
(1)球状船首(バルバス・バウ)の装着
L=75m程度の小型船で船型に適応したバルブ形状とすれば、フルード数(Fn)=0.23で、バルブの大きさをAFP/AMを2.0%としたとき、満載状態の剰余抵抗係数(γR)が最も小さな値となり、バルブをつけない船に較べ、γRが12%程度減少するものと推定される。
このように静水中においては確かにバルブは有効であるが、波浪中においては、バルブを装着したため、パンチングにより船首船底や荷油管に損傷を受けたり、航行を困難とした実例が多く、かつ空念時には多量の海水バラストを必要とするなど、輸送効率の低下と修繕費ならびに産道費の上昇を招くという理由でバルブ不要という意見もある。
従って。バルブは航行区域が沿海の場合は推進性能上特記すべき影響はないと判断される。ただし、船首に浮力をつけるためなどの理由から強い船主要求があったときは、なるべくAFP/AM=2.0%程度の大きさで、玉葱形でなく。上下方向に長いらっきょう形とし、底部の半径を極く小さくするなど、パンチングに対する十分な考慮をなすべきである。
(2)単底と二重底
LPP×B×D×d=72.0m×12.0m×5.5m×5.1m、主機関出力2,000ps,CN=4,752と仮定して試算すると下表のようになる。二重底構造は勿論、ダブル・ハル構造が最も望ましい。

第2−6表

027-1.gif

二重底構造は、船底損傷時の油流出防止のほか、廃油処理場に行くロスがなく。バラスト処理料等の経費が掛からない。荷油の温度低下が少なくヒーテングする時間が短かくてすむ。航海回転率がよいなどの利点がある。
(3)主機出力の削減
連続最大出力(MCR)の85%出力、シー・マージン(S.M.)を10%として、12ノットの航海速力(VS)を得るための所要主様関馬力を大幅に削減する方法として次の事が考えられる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION