第2章 基本設計
2.1 全体計画
設計条件を明確に把握し、無理がないかどうかを検討し、特に注意すべき事項を認識して、基本設計を進め・種々相反する諸項目を調和させ、均衡のとれたものとすることが全体計画の最も大切なところである。
2.1.1 想定段階
設計責任者が与えられた設計条件に基づき適切な類型船数隻を選定・解析し、それからの類推・新規なアイデア、経験による判断等により主要寸法及び主機を想定し、概略一般配置図を描く。これが想定段階であって、次の検討段階を行うためのよりどころとなる。
近年小型貨物船のDW/GTの比率及び主要寸法は運航採算面の要求から増大し、従来の概算式による重量、主要寸法等の推定は妥当でなくなったので、総ての変化に即応できる想定の目安と考慮すべき点を以下に列挙する。
(1)主要寸法の想定
(a)垂線間長(Lpp)
Lppは船種別Lpp〜GT曲線、Lpp〜DW曲線により推定される。また。Lpp〜B、D、d曲線を使用してもよい。これらの曲線は極く最近のデーターによるものを選ぶこと。
(b)幅(B)、深さ(D)、計画満載喫水(d)
B=L3/3×C1 L:Lpp
D=B×C2
d=D×C3
ただしC1、C2、C3は類型船から求めた係数
(c)主要寸法間の関係
L/B、B/D、d/D、B/d、L/D、f/B等の寸法比は速力、復原性、乾玄、船体強度、針路安定性、旋回性能等に重要な関係があるので、類型船と比較し、また法規の適用範囲内にあるかどうかなどを調べる。f:乾玄
(d)総トン教
「船舶のトン数の測度に関する法律」が昭和55年に法律第40号として、次いでこの測度法の細則を定めた「船舶のトン数の測度に関する法律施行規則」が昭和56年11月に公布され、昭和57年7月18日を以て施行され、「船舶費量測度法」、「船舶積量測度規程」、「簡易船舶行量測度規程」(以下旧測度法、旧測度規程、旧簡易規程と称する)
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