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1.4 材料管理
 
1.4.1 一 般
 
材料管理とは、なるべく少ない費用で所要の品質と数量の材料を生産工程に合せて準備することで、各部門が材料の有効な使用が行われるように管理することである。
一般に船価(製造原価)は、材料費、労務費、経費に大別されるが、材料費は70%〜75%で船価の大半を占めている。したがって、材料費の低減をはかり、材料入手の円滑化による工数低減と適正在庫による資金、その他経費の節減をはかることが大切である。
材料管理の基本は次に示す三つである。
(1) 早期手配と納期の確保
(2) 必要最小限の在庫量に止めること。
(3) 必要な時期に必要な材料を揃えること。
材料は人員・設備・工程と共に工期確保の第一条件である。大日程表及びブロック搭載順序や艤装中日程表に従って必要な順序に、鋼材、加工外注品、艤装機器、艤装品などを早期に手配し、納期の重要性をメーカーに認識させて守らせる必要がある。
在庫量を少なくすることは、材料保管場所の節約、材料選別の容易性、材料劣化の防止、管理の容易さ等の有利な点がある。しかし、材料、外注品、艤装機器、艤装品等の納期の遅れは、工程を混乱させる主な原因になるので、早期手配と納期確保には特に留意しなければならない。
 
1.4.2 材料の発注
 
中小造船所では、受注から引き渡しまでの期間が一般的に短い。早期発注と納期の時期を失わないように心がけること。また船主またはメーカーとの折衝の段階では、装置、構造、および容量の決定がおくれがちであり、発注時期が遅れる場合がよくあるので注意しなければならない。発注品には設計出図の必要のものがあるが、これは契約と同時に設計部門との打ち合わせを十分に行い、出図日程を細かく決めて、早期発注が円滑に行えるよう努力が必要となる。特に小型船は一般に納期が短いので材料準備を急がなければならない。
契約直後特に注意すべき発注品
一般鋼材   鋼板、型鋼
鍛 鋼 材   船尾材、舵
大型機械   主機、補機
船主の要求によって、図面の改正の必要が生じた場合、また図面の出図の遅れが予想された場合は、類似船の仕様実績によって発注することも考えなければならない。このような場合は、造船所の標準歩留り、標準消費量などが必要となるから、後の資料の整理が大切である。材料には主要資材と副資材とがある。主要資材は直後加工され製品となる鋼材、木材などをいい、

 

 

 

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