
偶然に現われるものでもなく、必ず原因がひそんでいるものである。それが、生活背景、先天的悪条件と社会的環境の悪条件なのである。

接近して立てて並べられた将棋のコマで考えてみるとこの関係がわかり易い。コマが倒れたということは、このコマの示している、悲しむべき現象が起こったことを示すものである。
(3) 連鎖関係のコマの倒れの法則
ア)コマは一方のみに倒れる。
イ)前のコマが倒れなければあとのコマは倒れない。
ウ)前のコマが倒れても、必ずしもあとのコマが倒れるとはかぎらない。
この連鎖のコマの倒れの法則は、最終結果の災害のコマを倒さないためにはどんな方法をとればよいかを考えてみよう。災害をどうして防ぐかということを考えるには、まずどうして災害が起きるかということを考えなければならない。
災害の原因は
不安全行動 88%
不安全状態 10%
不可抗力 2%
だといわれている。
前に述べた五つのコマをよく見ると、第1のコマ、第2のコマを倒さなければよいことになるが、これは大変むずかしい。第3のコマは不安全状態と不安全行動である。そこで第3のコマを抜き取れば第4、第5のコマは倒れない。すなわち、事故や災害は起きない。

災害はこの第3のコマ、不安全行動、不安全状態が互いにからみ合って起こるものである
前ページ 目次へ 次ページ
|

|