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口に扉を取り付けた構造が普通である。建設費が建設予定地の地質などにより以外に高価になる。また、敷地を二分するので工場全体配置の上からも慎重に検討することが望ましい。
(3) 浮ドック
浮ドックは、乾ドックに比較して建設費が安価なために最近は修繕船の多い造船所で利用されている例が多い。特に、海面を利用できるから、敷地の狭い造船所には都合がよい。しかし、海域の使用許可が必要となること、また漁業補償などの問題も生ずるので建設計画の前に港湾法など関係法規を調査し、関係官庁と相談しながら検討する必要がある。
(4) セミドライドック(建造用)
これは傾斜船台と乾ドックを併用したものと見てよい。構造は乾ドックと同様であるが、船台が水中部にのびているので、普通船台より短くすることが可能である。入口扉から建造船迄の距離は、舵、プロペラなどの搭載可能な程度であればよいから、船のAPから扉の戸当りまでは3〜5mくらいである。
 
1.2.8 運搬管理
 
(1) 運搬管理の目的
(a) 能率化
生産工程と調和のとれた高速化ができれば、生産能率を向上させることができる。
(b) 災害の防止
作業者の災害の防止、物の破損の防止、施設や機械機具の損傷を防止すること。
(c) 品質の維持
素材、半製品、製品の運搬中の事故を防止し品質を維持する。
(2) 運搬管理のありかた
まず運搬の特性を心得ておくこと。
(a) 運搬作業には、どんな作業とも切り離すことができないもの、つまり単独ではありえない。
(b) 一般に運搬は単なる物の移動として、その場かぎりで処理されがちで、付随作業ぐらいに考えられ、第二義的に取り扱われがちな、弱い性格をもっている。
(c) 運搬は生産機構の根幹であり、生産機構においては、運搬管理は各管理と相互に密接な関連をもつ。
(3) 運搬管理の実施上の原則
運搬の中から、ムリ、ムラ、ムダを取り除くことにつきる。
  1. 生産作業とのバランスをとる。
  2. 運搬時間の短縮をはかる。

 

 

 

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