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○軟鋼とアルミニウム合金の接合  

 船体の一部にアルミニウム合金を使用するときは、まず、軟鋼部分との取合いが生ずる。  

 先に、アルミニウム合金の一般的性質で述べたように、アルミニウム合金は鋼と直接接触すると、電位差が生じて、接触腐食を起こす。従って、鋲で取り合うにしても、ボルトで取り合うにしても、Alと鋼の間は、電気的に絶縁状態にしておかなければならない。  

 通常、鋲による接合で、アルミニウム合金または軟鋼の鋲が用いられるが、鋲接の重ね部分には、ジンククロメート塗料を塗って、電気的に絶縁すると同時に、鋲孔と鋲にもそれぞれジンククロメートを塗布し、アルミニウムと鋼が、直接接触のすることがないように配慮する。船舶に使用される場合、大型船の低温用タンク等を除けば、小さな構造物が多いから、原則として、鋲打ちは冷間打ちとなる。  

○アルミニウム合金の曲加工  

 アルミニウム合金は、その合金の種類によって大幅に性質が異なるので、加工するに当っては、十分に確かめなければならない。例えば、折り曲げの内径半径も1.0t〜8.0t位まで、変動する。しかしながら、共通して注意しなければならないことは、表面にキズをつけぬようにすることで、一般に造船所でアルミニウムの加工を行うときは、通常の軟鋼に使用しているプレス等を使用することが多い。軟鋼用のプレスは、キズが沢山ついてるのが普通である。まずボール紙やゴム等の当物を使用しながら、無理なく曲げるようにしなければならない。

 

参考文献

  「アルミニウムとその合金」   神戸製鋼所

 

 

 

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