あるぺきものがA点の電流値となってしまう。一般には、このように1OOmもの長さで長くキャブタイヤを往復、引くことは少ないが、コイル状にキャブタイヤを巻いてある場合は比較的多いので、注意したい。このよううな場合に溶接機についている電流の目盛値とは、相当、かわった値の電流が流れているものと考えなければならない。現場施工法上、キャブタイヤは3・10図Bのように8の字型にまいて置けとかいうのは、このことを防止するためである。
3.2.2 溶接機の保守
溶接機の種類も、最近のように機械化されたものが、多数出回わるようになると、保守や修理も、仲々大変な作業となるが、機械化された溶接機においては、可動部分も多く、小さな部品の取りかえ等が必要となったり。些細な部分の調整で不具合になっているもの等があり、予備品も、ある程度、常備しなければならない。しかし、この種の機械化された機器を購入する場合には、十分に検討している筈であるから、そのときに保守の状況や、サーヴィス体制についても、十分、確かめて、必要な、予備品も、取り揃えておくようにしなければならない。調子の良いときは高能率であるが、故障し勝ちになると、段々と、使いにくくなり、片隅に放置されるという状況にならぬように注意したい。
ここでは、ごく普通の交流アーク溶接機に対する保守の要領について、述べる。交流アーク溶接機は、構造が簡単であり、故障を起こすことは、あまりないが個々の接続端子やスイッチ等の細まかいところでは、結構不具合なものが多く見受けられるのである。
一般に、溶接機台数の1割位が、何らかの不具合点を起こしているような状態は、珍しいことではない。
常に、点検を行って、いつでも、十分な台数が使えるように、整備しておくことは、工場管理上、大切なことである。
第3・1表は交流アーク溶接機の保守予定表の一例であり、第3・2表は、そのときにどのような点を、どう注意したらよいかを示した一例である。