これに対する処置としては
○この部分の船体及ぴ船台を補強する。
○船首台車上の抱合を広くするとともに、中間に軟材を用いて、反力を広い面積に分布させる。(第6.7図)
○潮高が高いときのように、反力が大きい場合には、船尾にバラストを搭載して、船尾浮揚の起こる瞬間を遅らせる。これは浮力が増大してW−Bが小さくなるからである。
○滑走台使用の場合は、この反力を滑走台前端圧力という。一般に反力は進水重量の1/4以下に押えるのが望ましい。
6.3.6 船尾沈下
船台後端のの車止め装置に、船尾の台車が当っても船尾浮揚が起こらない場合には、船体のみが滑走する。この場合、重心Gの位置が船台後端を通過すると、船尾の浮力Bが進水重量Wに打ち勝てず、後端の車輪Aを軸として、第6.8図のごとく回転することがある。この現象を船尾沈下(チッピング)という。この際、点Aに浮力Bと重量の差が反力Rとなって作用する。この反力を固定台後端圧力という。この反力が大きいと船底を破損したり船尾を海底に突込んだり、滑走を停止したりする恐れがある。合軍が押されてレールから離脱すると、この現象は著しく在る。
浮力Bが重量Wより大きければ船尾沈下は生じない。これに対する処置としては
○レールまたは固定台にキャンバーを付ける。
○水中のレール、固定台は、できるだけ長くする方が良い。