(5) 内構材の必要箇所を記入する。
現図の床も、気象条件によって、相当動きがあるものだから、最初に、オフセットをつける前に十分注意をして、直角線を引き出さなければならない。
フェアリングの方法については、多くの文献もあるので、それを参照されたい。
ランディングについて、注意すべき事は、概略の展開をして決めた方がよいということである。
鋼材の寸法が、既に決まっていることが多いから、それに合わせて、シームを決めるようにする。
このとき、ブロックとしての形状のまとまりを第1に考えるようにしなければならない。従って、一番工夫のいるところは、ビルジ外板の上縁のシームとなろう。
内構材の位置、例えば、ガーダーであるとか、フレームの深さ、タンクトップの位置等をラインズに、描き込んでおくと、現図の型取り作業は、非常に楽なものとなり、間違いも生じない。現図の誤作の相当部分は、隣接する取合部材が、取り合わないことである。これは線図に、取合いの境目が記入されていることにより、大幅に、この種の誤作を防ぐことができる。
2.3 展開の基本的な考え方
現図作業の中で、もっとも、取りつきにくいものは、展開作業であろう、現図で行う展開作業には、大きく分けて、次の3種がある。
・曲り外板の展開
・内構材の展開
・特殊なものの展開と相貫
曲り外板の展開で、他のものと、異なっているところは、船体の曲面というものが、完全な展開が不可能な、いわゆる非可展面といわれるものである。非可展面というのは、例えば球のようなもので、地球もその一種であるが、これは、その基準の取り方により種々の展開方が存在するわけである。その例としては、例えば、世界地図を見るのが、妥当であろう。学校の地図帳を見れば、さまざまな世界地図がある。これに対して、可展面というのは、例えば、茶筒のような、円筒形のものであるとか、メガホンのような円錐形のものが、これにあたる。いずれも正確な展開図形を得ることができて、展開形状は、接手を入れる位置のちがいのみで、基本的には、全く同一の図形となる。
内構材の展開としては、ガーダーのナックルラインのあるものとか、BKTとか、タンクトップのマージンプレートであるとか、大部分のものが可展面であり、その曲りも、曲面になっていることは少なく、平面と平面の構成となっているものが多い。この部材に関する展開は手法もまた理解するにも容易であり、殆ど問題はない。