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通信教育造船科講座 船体工作法

 事業名 小型造船技術講習
 団体名 日本小型船舶工業会 注目度注目度5


1.1.3 ブロック分割の検討

 詳細設計を始める前にブロック分割を行うとよい。建造における工事の難易度の大半はブロック分割の仕方による。ブロック分割は云わばその船の建造方針でもある。一般配置図、中央横断面図等を基に、その工場のクレーン能力等の設備、技量程度を十分考慮して、技術者の意図が表現されたブロック分割でなければならない。それと同時に大まかな搭載順序、コッキングダウン施工箇所とその量、伸しの量も決定して、これらを全て詳細設計図に取り込み、工作図も使用できるような図面にすることが理想的である。

 

1.1.4 ブロック分割

 ブロック分割は、ブロック建造法の基本である。分割方法、建造法等は各々の造船所の設備と諸条件に最適のものでなければならないが、ブロック分割に当っては、一般に次の点を基本として行う必要がある。

(1) クレーン能力とリーチ及び楊程の関係:第1.1図に示す。

(2) 定盤の広さ:ブロックの長さが定盤寸法の90%内外が効率がよい。

(3) ブロックとしての形状が保てる構造とする。:船首尾は外板、隔壁、甲板を含んだ立体ブロックが理想である。

(4) ブロック反転作業が可能であること。

(5) 船台上での上向き、立向き溶接を可能な限り減らすこと:小組、大組、仙台での作業能率の比は5:3:1である。

(6) 購入材料の長さ、幅寸法をそのまま生かせるブロック寸法とする:一般に使用されている規格材料をそのまま生かすと、鋼材の歩留りは良くなる。

(7) 狭隘場所、高所でのブロック断手はなるべく避けること。

(8) 仕事量が多くて、建付けの容易な点を搭載起点とする。:仕事量の最も多い機関室首部を搭載起点とするのが一般である。隔壁もあり、外板の建付けも容易である。(第1.3図)200GTがたのブロック分割の一例を次に示す。中央横断面図のブロック分割(第1.4図)外板ブロック分割(第1.5図)船底外板ブロック分割(第1.6図)上甲板ブロック分割(第1.7図)

 

 

 

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