また、NKからは鋼船規則を補充又は具体的に規定、解説した「検査要領」が発行されているので、規則集と同様拘束力をもっているので注意する必要がある。

（4．3）規格

（a）日本工業規格（JIS）

通商産業省内の日本工業標準調査会が調査審議し、政府が制定する我が国の国家規格である。JISは17部門に分類され、電気艤装品に関するJIS規格は、船舶部門のJISF及び電気部門のJISCで制定されている。JTSFは船舶だけで使用される電気機器について制定された規格であり、般用灯具、船内通信用機器、電路器具などについて現在約100の規格が制定されている。JISCは電気工業全般にわたって制定された規格で、現在約800の規格が制定されている。この内、船舶関係ではJIS C 3410般用電線があるが、JISFの関連が数多く含まれている。

（b）電気学会・電気規格調査会標準規格（JEC）

JECは、電気学会の電気規格調査会によって制定される団体規格で、国を代表してIECに加入して電力関係、特に、強電関係に主力を置いて標準規格の調査制定を行って来た。現在では製造者・使用者・研究者・官庁を組織した我が国でも最も権威ある中立の民間規格調査団として、JIS原案の作成など日本工業標準調査会に協力しながら広く電気工業界に必要な規格の調査制定にあたっている。

（c）日本電機工業会標準規格（JEM）

JEMは、電気機器製造業者を主要構成員とする日本電機工業会によって制定される団体規格で、電気機器及び材料に関するものが多い。日本工業標準調査会（JIS）、電気学会電気規格調査会（JEC）その他と密接に協力してこれらの原案作成にあたったり、業界として団体規程制定を行っている。