(1)補機の自動発停
通常、ディーゼル船では補機を電動としているので、その遠隔発停は操作スイッチを遠隔位置にしておくことによって容易にできる。また補機とあわせて出入口弁の遠隔開閉も、電磁弁や電動弁を使って電気的に行う例もある。また、自動停止を行う場合にも、温度スイッチ、圧力スイッチ、フロートスイッチ又は過負荷リレーを起動器に組合わせて電気的に行う。
(2)温度の自動調節
温度の自動調節は、加熱の場合と冷却の場合とでは、その方法がかなり異なる。通常、加熱は蒸気又は電熱により行うが、蒸気加熱の場合は直動又は空気作動の蒸気弁を使用して加熱蒸気量を調節し、電気加熱の場合はサーモスタットを使用して加熱電源を調節する。いずれの場合も加熱側の供給熱量を加減して行う。冷却の場合は、冷却流体の流量を加減して行う場合もあるが、通常は直動又は空気作動のバイパス調節弁を使用して、被冷却流体の冷却器通過量を加減して行う場合が多い。
(3)圧力の自動調整
圧力の自動調節には、直動又は空気作動の圧力調節弁、減圧弁などが使われる。とくに厳密な圧力調節の必要性は制御空気用以外にはなく、一般には従来から使用している逃し弁や安全弁により過圧を防止する程度で、特別な自動制御装置は使用されていない。
(4)流体(水、油、空気など)の自動補給
水、油、空気などの自動補給には、サービスポンプや空気圧縮機などを自動発停させる運転制御と、貯蔵タンクの圧力やボンブ類の連続運転によって供給される流体を、弁により調節する絞り制御とがある。運転制御には、圧力スイッチやフロートスイッチを使用して電気的に行い、絞り制御には、需要側の圧力又は液面を検出して、直動又は空気作動弁により供給側の流量を加減して行う。
これらの方法は、自動化の程度や制御用動力源の種類によって種々の方法がある。ここでは比較的よく使用されている代表的な方法を、次の装置別に説明する。
1.圧縮空気装置
2.冷却水装置
3.燃料油装置
4.潤滑油装置