(e)油圧管がタンク内を通過している場合は、フラッシング油を使って耐圧テストを行う。油圧ハンドボンブを使って高圧とし、タンク内配管からの漏洩をチェックする。
(f)フラッシング完了後フラッシング油を管系から回収する。フラッシングポンプと管系との接続を外し、ポンプ出口側との接続していた管系から圧縮空気又は窒素を吹き込み反対側からドラム缶へ油を回収する。(図5.15参照)
(g)フラッシングの終った管系は絶対に異物が入らないように栓をしておくこと。
(h)バイパス管を外し、フラッシングのための取外し管を復旧する。
(i)フラッシング油の回収に当っては回収率95%以上とし、必ず同一銘柄のフラッシング油のドラム缶に回収すること。
(j)油で船内を汚さぬように注意すること。油をこぼした場合はすみやかに清掃する。こぼれた油の処理は、油中和処理剤を使用するが、船外への排出は、量の多少にかかわらず絶対に行わないこと。
5.7.3 フラッシング完了の判定
フラッシング完了の判定には前述のフィルターの目視による他にフラッシング油をサンプリング採取し、簡易汚染度測定器によって判定する方法が一般的である。系統油圧機器によってその等級(NAS)は異なるが8〜10級を適用する事が多い。また、場合によっては専門業者に依頼し、性状分析や、精密な汚染度測定をする。
(1)簡易汚染測定器の一例
(1.1)コンタミキットコンタミキットは、供試サンプルを漏過し、汚染粒子を捕そくしたミリポアフィルタを顕微鏡の検鏡台にのせ、内臓された各等級の標準汚染板と同一視野で比較し、供試サンブルともっとも近い粒子分布のNAS等級を読みとるものである。