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末端は錨鎖庫低部の根止め金物に係上される。錨鎖孔と鎖車との中間に制鎖器(チエン・ストッパー)を設ける。



2.2 揚錨機(ウインドラス Windlass)


2.2.1 揚錨機の性能


揚錨機には、その動力によって、小型船用の手動揚錨機、内燃機関駆動の揚錨機、気動、電動、電動油圧の揚錨機等種々あって、各メーカーによって型式が異なり、その性能も一様でないから、よく検討する必要がある。

小型船では、電動機を用いるものが多く、揚貨機と兼用されるものもある。一般に必要な性能は次のとおりである。

(1)ブレーキだけの操作で、片舷錨だけ又は両玄錨が同時に投錨できる。

(2)片玄又は両舷の錨を同時に機械で静かに巻き下すことができる。

(3)ブレーキで片舷の錨鎖を延ばしながら、他の舷の錨鎖を巻き込むことができる。

(4)揚錨機の能力は、両舷の錨及び錨鎖各3節を同時に、1分間に9m以上の速度で巻き込める。

なお、「設」133条には、「重量150kg以上の錨を備うる船舶には適当なる揚錨設備をなすべし」と定められている。



2.2.2 電動揚錨機


電動は効率がよく、運転が円滑であり、騒音も少なく、蒸気管がない等の利点が多いが、船首甲板上に据えるために絶縁が多少めんどうであるという欠点がある。一般に電動揚錨機としての必要条件は次のとおりである。

(1)速度制御が円滑で、かつ経済的であること。

(2)軽負荷における速度が全負荷規定速度に比べて著しく大であること。

(3)軽負荷の時低速でかつけん引力が大であり、無制限に過負荷することなく、一定の停止、けん引力を有すること。





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