2.4 艤装工事の工程管理
(1)一般
艤装工事においては、工程の管理を実行していかなくてはならない。工程管理には、
・大日程的工程管理
・中日程的工程管理
・小日程的工程管理
があるがその時点、その時点でそれぞれの意味をもつものである。
工程管理に関しての注意事項を述べれば、
(a)工程管理は、いわゆるPLAN−D0−CHECK−ACTIONを実行するものでなければならない。単なる机上の計画では何の意味も持たない。すなわち計画を立案し実行に移し、必要な手段を取っていくことが真の工程管理であることをまず銘記すべきである。
(b)よって工程管理はまず実行のできるものでなければならない。いたずらに背伸びしたものは実行不可能となりかえって大きな混乱を招く。
(c)工程管理は単なる工程の順序を示すものではない。必ず配員計画と表裏一体をなしていなければならない。工程管理表自体の中に配員計画を導入してもよいし、また別途工程管理表とは別に個人配員計画表を作り、両者に矛盾のないようにする必要がある。
(d)工程管理はまた“物”の投入計画と表裏一体の必要がある。どんなに秀れた工程管理も、“物”の入手が伴わなければ工事の実行はできない。重要な“物”の投入計画は工程管理の中に当然導入されている必要がある。
(e)艤装工事は多くの職種が性質の異なる作業を実行する。工程管理は、この調整も重要であり、それぞれの節点を各職種が守るようなものとしなければならない。
(2)大日程管理
工場の年間工事を表す場合もあるが、本項は艤装工事に限定しているので、ここでいう大日程管理は、船体、機関、電気、各騰装の相互関連を建造開始から、終了までを比較的マクロ的に描いたものである。
特に重要な節点として
(a)加工開始
(b)地上臓裂開始
(c)ブロック搭載開始
(d)主機搭載
(e)発電機搭載
(f)船殼タンク水圧開始
(g)居住区磯装渡し
(h)進水
(i)缶点火
(j)発電機起動
(k)荷役テスト
(l)主機起動