したがってトルク勾配法または回転角度法などによって降伏点または塑性域でボルトを締結する場合はボルト自体もそれに対応した形状にする必要がある。その一例を補・11図に示す。いずれにしても補・10図の集中応力のかかる部分の応力を緩和する設計上の対策が必要でボルト幹部で伸びが主として発生するような形状になっていることが肝要である。

また疲労強度を上げる対策として、ボルトヘッドを冷間打ち出しにする、ねじ部を転造ねじにする、幹部の表面粗さを小さくする、ボルトヘッド頸部にショットピーニングまたは冷間ロール加工を施すなどの対策も場合によっては必要になってくる。
2)適切な締付け法と締付力
締付け法については前項で述べたが、ここでは力の荷重点がボルトの軸心より大きく離れた補・12図のような場合の締付力について考えてみる。

前ページ 目次へ 次ページ