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(6)噴射ポンプの故障

噴射量の減少や無噴射となり、出力が低下する。

(7)コントロールラックのリンク不良

コントロールラックとガバナを連結するリンクやピン、軸などに曲がりやこじれがあると、円滑に作動できなくなり、噴射量が減少したり、ユニットポンプの場合は各シリンダ間のバラツキが大きくなり、出力低下する。ユニットポンプの場合は、各シリンダ間の微量調整は定格時における各シリンダのヘッド出口排気温度を30℃以内のバラツキに修正する。またV形機関の左右バンクのコントロールラックを連結しているリンクや連結桿がこじれたり、曲げられると左右バンク間の噴射量に差を生じて、出力が低下する。左右バンクの連結桿を外して、こじれや曲がりを修正したあと、次の要領で取付ける。左右の噴射ポンプのコントロールラックは、フリーの状態では、いずれも無噴射位置になっており、リンクや連結桿を左側ポンプのコントロールラックに連結して、フリーの状態におく。右側のコントロールラックの連結ピン穴に、ピンが楽に挿入できるようにターンバックルで長さを調節して、ロックナットでターンバックルを固定したあと、ピンを挿入して左右のコントロールラックを連結する。連結ピンを無理に挿入すると、ピン穴のずれた分だけ、コントロールラック位置が動き、噴射量に差異を生じるので注意しなければならない。

2)吸気系統の不良

(1)換気不足

機関室の換気不足は、室内温度が上昇し、その分だけ、空気の密度がうすくなるので、完全燃焼に必要な酸素量が不足し、出力が低下する。また吸気温度の上昇は、燃焼べース温度が高くなり、燃焼温度が高くなる。吸気温度が1℃上昇すると、シリンダヘッド出口における排気温度で、約2.5℃上昇するので、その分だけ機関の熱負荷が増して、つらくなり、色々なトラブル誘発の原因になる。従って室内温度は、最高でも40〜45℃以上にならぬように、換気量を機関出力に応じて算出し、換気穴や換気扇を設け、十分な換気が出きるようにしなければならない。次図表は換気量の目安を求める時に便利であり、例えば500Psの機関室温度が50℃であったとすると、この温度を40℃にするための必要換気量は、5700m/h=95m/min押込換気扇を追加しなければならないことが簡単に判明できる。

 

 

 

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