3. 各教科における環境教育
環境教育を進める中で、子供たちは社会的、政治的、経済的、文化的、美的に現代文明を評価する能力を養わなければならない。その際に、子供たちは様々な知識と能力を身につける必要がある。こうした知識や能力の育成する要素の多くは、現在小中学校で扱われている各教科に既に含まれている。 例えば、小学校の国語や算数の中でも、文章能力や情報収集能力、情報整理能力等の一般的な能力が育成されるが、これは同時に持続可能な社会づくりに必要不可欠である市民行動の技能につながるものなのである。 以上のことから、カリキュラムを作成する際には、まず指導者は、各教科によって環境教育の要素が含まれる度合いに差はあるものの、その全ての教科が持続可能な社会づくりに必要な能力を育てる要素を秘めていることを認識するべきであり、その中で環境教育として重要な要素を見出した上で、環境教育としてのカリキュラムを作成することが重要である。 ここで、各教科にとけ込む環境教育の要素を抽出をウィスコンシン州の事例をもとに、例を挙げてみる。 ■ 教科における環境教育(Wisconsin Department of Public Instruction, 1994) □ 国語 国語において環境教育として育成すべき知識や能力に関連する要素には次のようなもの が挙げられる。 表現:語り手は自分の気持ちを明らかにするためにコミュニケートする。たとえば新聞雑誌、日記、会話、声明、および議決書など。 儀式:メッセージの文化的/情況的文脈が重視される。 例えば、あいさつ、別れのことば、特別な場でのスピーチ、会議の司会、賞の受賞。または授賞、契約、礼状、お祝いまたはお悔やみ、議決書、法律および細則、および招待状など。 感情の伝達:送り手と受け手の両方に美的な喜びを与える。これは言葉を重視した、言葉を媒介に使った芸術作品としての語りである。たとえば、詩、短編、叙情詩、物語など。 通知:問題を探求したり情報を提供したり与えられた問題を証明するなどで、言葉より内容が重視される。例えば、ニュース記事、レポート、要約、問題解決のための提言など。
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