第4章 カリキュラム開発にあたって
1. カリキュラム開発にあたっての基本原則
(1) カリキュラム作成を進めるにあたって 今回取材したウィスコンシン州や北欧では、各教科の中に溶け込ませるかたちで環境教育カリキュラムが設定されている。 まず、ウィスコンシン州の環境教育カリキュラムから紹介しよう。ここでは、E・Eプログラムを単発的に実施するのではなく、学年間の縦断的な関わりや、科目間のクロスカリキュラム的な関係づくりなど、体系立ててカリキュラム編成が行われている。 ここに、ウィスコンシン州が挙げているカリキュラム作成の際に留意すべき点について以下に紹介する。 ■ カリキュラム作成の基本原則(Wisconsin Department of Public Instruction, 1994) ?@ 学習に焦点を当てること。各学年を通じて各子供たちの成長の特徴に合わせたカリキュラムであること。 ?A 総合的であること。自然なもの、つくられたもの、テクノロジカルなもの、社会的なもの等。社会的なものの中には、経済、政治、文化、倫理、美的なものを含んでいること。 ?B 宇宙的な視点を持っていること。地球の生態系のみならず、全宇宙を包含していること。 ?C 未来に目を向けていること。地球上の現在の世代だけでなく、将来の世代にも注意を払っていること。 ?D 問題志向的であること。種々の論争問題をあらゆる観点から検討すること。ローカルな問題であろうと、地域的、全国的、国際的、宇宙的であることにかかわらず。 ?E 行動志向的であること。課題や問題の解決に参加者を直接巻き込むこと。 ?F 連続的であること。全ての課目、全ての学年において子供たちに奉仕するものであること。 ?G 学際的であること。あらゆる学科から、それらの枠を越えて内容を引き出し、環境教育の中に含むこと。 ?H 経験志向であること。多様な学習環境と教授方法を使って、可能な限り直接の経験や体験を得させること。
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