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(2) ネイチャースクール
学校の敷地の中にある身近な自然体験の場である学校ビオトープと異なり、ネイチャースクールは学校から離れたところにある自然体験の場である。学校ビオトープは地域の生態系の復元モデルであるのに対して、ネイチャースクールには2つのタイプがある。ひとつは、頻繁に訪ねられる身近な地域にあり、地域生態系を学ぶ場としてのネイチャースクール。もうひとつは、子供たちが住んでいる地域とは遠く離れており、全く異なった自然を体験するネイチャースクール。しかし北欧3国においては、どちらも自然の中で専門の指導員が子供たちに自然や環境について指導を行っている点が共通であった。前者については、スウェーデンとデンマークの事例を、後者についてはノルウェーの事例を紹介する。

 

1) 地元にあるネイチャースクール
a. スウェーデン
スウェーデンでは1981年に最初のネイチャースクールがつくられ、年々増加傾向にある。ネイチャースクールがはじめてつくられてから10年後の1991年には40校、1996年現在では全国に60校のネイチャースクールがある。その経営形態は、一部が市町村所有、一部は民間で、残りは決まった場所に建物があるのではなくバスで各地を廻っているものなどいろいろな形のものがあるが、基本的なネイチャースクールの位置づけは学校の生物の授業の補助である。学校での授業との違いは、ネイチャースクールでは「自然のことを自然に出て自然の中で学ぶ」という点である。
スウェーデンにおける各ネイチャースクールに共通の目的として挙げられるのが以下のものである(Association for Nature School and Field Pedagogics)。
1. 学校における自然に関する授業がよりいっそう実際的になる
2. 全ての季節を通じて自然への研究の興味を喚起し、個人の自然への研究を促進する。
3. 生態学的関係に関する知識を伝える
4. 人間がどのように自然資源に影響を与えてきたか、また歴史的にどのように資源を利用してきたかに関する知識を伝える
5. 環境問題と自然保護問題に関する知識を伝える
次に実際のネイチャースクールについて紹介する。スウェーデンの首都ストックホルムの近郊にあるソレンチューナ市には、ソレンチューナネイチャースクールというネイチャースクールがある。このネイチャースクールは、1984年創立で自然保全地域内にあり一般の市民も自然散策のために訪れる場である。
−スタッフ−
職員は3人雇われており、一人はもと教員で「こどもと環境」をテーマにした研究を行っており、残りの2人は生物学が専門である。このように専門的な職員が常駐してここで

 

 

 

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