3.環境教育施設整備
環境教育を効率的に推進していく上で必要なこととして、法律や行政制度の他にネイチャースクール等の環境教育推進のための施設の充実が挙げられる。 平成7年度の報告書にも示してあるが、現代の子供たちは自然体験の機会が非常に少なくなっている。このことは、日本のみならず世界中の先進国で生じている現象である。これに対し、第1章で生態系の重要性を述べたが、環境教育では教科書的知識ではなく、体験を通して生態系を認識することが重要となってくる。さらに、環境教育の点からだけではなく、子供の健全な心身の発育のためにも自然体験は欠かせないものである。そこで、学校における環境教育の中で、自然体験は重要な位置を占めることになる。 さて、そこで世界各国は、子供たちの自然体験の場、環境教育の場としての施設をどのように設けているのであろうか。施設のタイプに分けてみると次のように分類できるであろう。 ●各々の学校の校庭における地域の生態系のモデルである学校ビオトープ(アメリカ合衆国、ドイツ) ●自分の地域にあるまとまった自然へ出かけるネイチャースクール(スウェーデン、デンマーク) ●自分の住んでいるところとは異なる生態系を体験するネイチャースクール(ノルウェー) このように各国では様々なスタイルの施設で子供たちの自然体験の場を設けている。学校ビオトープについては、近年日本にも導入され、環境教育をする上での生きた教材として、注目を集めているところである。また、ネイチャースクールに関しては日本では林間学校や臨海学校といったものが従来からある。ここで、これら日本における学校ビオトープや林間学校などを環境教育の教材として効果あるものとしていくために、海外の先進的な事例を整理し、紹介する。
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