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持続可能な社会に向けて・2

〜海外の環境教育先進事例から〜

 

平成9年3月
財団法人 埼玉県生態保護協会

 

はじめに

自然生態系の大破壊のもとに、大量生産・大量流通が行われ、大量消費そして大量廃棄がなされ、そのことが再び生態系の大破壊を引き起こしている現代社会。
今や、この目先の利益を優先させた社会を、如何に一刻も早く持続可能な社会に変えていくかが、私たちが存続できるか否かの大きな課題となっている。
この持続可能な社会という概念が世界的に打ち出されたのは、1972年に開催された国連人間環境会議に遡る。ここで打ち出された国際的な共通原則「人問環境宣言」において、生態系を守ることを原則に、人間環境の保全と向上をめざすこと、そして文明のあり方を根本から見直し、持続可能な発展につとめることが求められたのである。
また、1992年に開催された「環境と開発に関する国連会議(UNCED)」では、人類の存続基盤である生態系の質の向上につながる発展、並びに過去の開発によって減少消失した生態系を回復することの重要性が世界的共通認識とされた時であった。
ここに示したとおり、持続可能な社会を構築していくためには、資源の利用を最小限におさえながら、市民が自然生態系と社会、政治、経済、文化などのつながりを循環という視点から見つめ直し、市民としての役割と責任を行動に表すことができるかが大きな鍵となってくる。これが今環境教育に求められていることなのである。
今回、視察を行ったアメリカ合衆国のウィスコンシン州やスウェーデン、デンマーク、ノルウェーでは、今まさに持続可能な社会を見据えた教育が様々な効果的なシステムによって進められている。
ウィスコンシン州では、1994年に改訂した「A Guide to P1anning Curricurum in Environmental Education」の中で環境教育の行動のひとつに「市民行動の経験」を大きく掲げると共に、ベオグラード憲章やトビリシ宣言を踏まえ、自然への感性の育成からはじまり市民行動の技能育成など、体系立ったカリキュラムを各学校区、あるいは学校の教員に対する指導資料としている。また、環境教育の効果的な推進に向けても力を注いでおり、学校と環境NGOの連携が日本でも求められている中で、州立環境教育センターでは数多くある環境NGOの環境教育教材を「学年別・教科別環境教育教材整理対照表」として各学校の教員に紹介し、環境教育を進めていく上で重要となる環境NGOとの連携を促進させている。
ノルウェーやデンマークなどでも、様々な自然生態系を知覚的に認識することの重要性から、ネイチャースクールの整備を充実させ、自然への感性と自然生態系に関する知識を体験を通し身につけさせる試みを進めている。また、ノルウェーでは環境教育を推進する上で重要な、教員をめざす学生に対しての環境教育研修について、学生は、半年から1年

 

 

 

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