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集中的に出現するように二つのグループに分割し、同様の作業を分割したそれぞれのグループで再び行なう。このような2元分割を適当な段階まで繰り返すことにより、各プロットの種の優占度データを基にして、プロットと種を同時に分類することができるのである。
DCA(Detrended correspondence analysis)法ある環境傾度(例えば本研究のハンノキ林調査では地下水位の高さなど)に沿って群落のサンプルを取った場合、群落がその環境傾度に対してどのような空間的パターンを示すか分析する方法を環境傾度分析と呼ぶ。通常は群落を座標軸に沿った2次元空間中の点として位置づけ、この2次元空間中に各サンプルがどのように散らばっているかを知ることにより、サンプル相互間の関係を分析することが可能となる。この方法が序列化である。
サンプルの序列化を環境要因のデータに直接基づいて行なう方法としては直接傾度分析があるが、少数の明確な環境要因の傾度に沿って群落をサンプリングした場合を除いて、多くの地点から取ったサンプルを何らかの環境要因(標高、乾湿度、撹乱の程度、遷移の段階)と直接関連づけることは困難な場合も多い。このため環境データを用いずに植生のデータだけに基づいて序列化の軸を決定する方法を間接傾度分析と呼び、この代表的な方法がDCA法である。これは種・地点データだけから客観的にそれぞれの種の評点を重みとして与え、加重平均として各地点を序列化する方法であり、実際の計算方法はかなり複雑であるのでここでは説明できない(小林1995参照)。この方法によって2次元空間中に点の散らばりとしてプロットを位置づけることが可能であり、この序列化の軸は植生データの傾度によって決定されるが、あくまでこれは何らかの環境傾度の反映であることを忘れてはならない。

 

 

 

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