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複数の群落サンプルをその類似性に基づいて分類しようとする場合、まず植物群落の複数のサンプル相互間でその組成を比較して、類似の程度を量的に測る尺度が必要である。これは上述した優占度データを用いる指数としては、これまでに多数考案されているが、The Czekanowski coeffcientが代表的な指数である。

 

SI=2Σmin(Xi,Yi)/(ΣXi+ΣYi)X100
S;種数
Xi;プロットXにおけるi種の優占度
Yi;プロットYにおけるi種の優占度
min(Xi,Yi):XiとYiの小さいほうの値

 

この場合の優占度は個体数などでもよいが、全体が100となるように相対値化された相対優占度(例えばRBA)を利用する場合には、Σxi=Σyi=100なのでこの式は6ぺ一ジの公式2のように簡略化される。この式を利用して、全てのプロットの組み合わせの間の類似度指数を計算し、類似したサンプルを一つの群にまとめる作業を続けてゆくと、最終的に全サンプルがいくつかの群に分類されることになる。この作業を視覚的にあらわすために類似性の指数を用いて、2群間の距離をそれぞれの群に含まれる地点相互間距離の平均で与えることによってグループ化した樹状図をデンドログラムと呼ぶ(図1-6,1-7,2-5参照)。
TWINSPAN(Two−way indicator species analysis)法上記したデンドログラムを描く作業は類似したサンプルを段階的にまとめていく、集約的な分類方式であるが、Hill(1979)によって考案された、TWlNSPAN法は指標種分析(indicator species analysis)を基にしており、最初から全サンプルをひとまとめにした群を小さい単位に指標種を基にして分割していく方式を取っている。計算の詳細はかなり複雑であり、ここで説明することは出来ないが(小林1995参照)、基本的にはまず得られたすべての調査地点を、一方のグループに指標種が

 

 

 

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