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夏の刈り取りは、バイオマスを減らし、植物の種多様性を向上させる。このような管理下では、ヨシの繁茂が妨げられ、より競争力の弱い植物が生育できる条件が得られる。
ヨシ原を全て一度に刈ってしまうことは、生育場所そのものを除去することになるため、ヨシ原に固有な多くの種にとって不利に働く。例えば、ボウトクガの一種やヨトウガの一種(Archanara geminipunctata:twin-spotted wainscot)は幼虫や卵で越冬するため、冬にヨシが刈られると消失する。またこのような管理は、ヨシキリやヒゲガラのような、ヨシ原を営巣地または採餌時の隠れ場として利用する鳥類の繁殖を妨げることになる。

 

 

 

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