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Plot-7は盛土の施されている立地である。解析は行っていないが、地下水位が100cmを超えており、このように地下水位がかなり深い立地においてもハンノキの幼齢林が出現することが確認された。これらのことから、ハンノキの幼齢林は、地下水位が深く冠水がみられないような立地においても、母樹が近くに存在し向陽裸地であれば出現することが考えられる。
ハンノキは一度株分を形成した後は下層に実生稚樹が全く見られないことから、閉鎖林冠下での前生稚樹更新は全く行わずに、撹乱を利用した一斉更新を行う典型的な先駆性樹種といえる。そのため河道整備や築堤が進み、畑地や水岡といった河川敷の人為的土地利用が進んだ荒川中・下流域では、ハンノキ林が更新するには母樹の近くで稲作の放棄など人為的な撹乱が必要とされていると考えられる。

 

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表2−7ハンノキタイプ幼齢林種組成表

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表2−8ハンノキタイプ幼齢林の環境要因

 

 

 

 

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