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水辺の植物群落を探る?荒川中・下流域における河畔植生の組成・構造とその環境要因?

 事業名 生態系保護に関する調査及び教育実践
 団体名 埼玉県生態系保護協会 注目度注目度5


 

5. 考察

5-1. 河畔林の更新動態

この地域の河川敷の群落タイプの分布パターンは、地下水位の傾度に沿って浅い立地からハンノキタイプ、エノキタイプ、クヌギタイプと順に変化していたことがわかった。調査期間中の平均地下水位が50〜60cmのところでハンノキタイプからエノキタイプヘの移行、70〜80cmのところでエノキタイプからクヌギタイプヘの移行が起こっていることが確認された。
ではこのような群落タイプの移行はどのようにして起こっているのだろうか。まずハンノキタイプが成立する過程について考えてみる。鈴木(1975)はハンノキ林の成立する立地条件として地下水位が高いことと、増水時に冠水することの2点をあげている。また、さらに幼齢林が成立する条件について、向陽裸地であることと、母樹が約30m以内の至近距離に存在するような立地であれば、非常に高密度の幼苗群が一斉に出現することがあることを示した。そして、このような立地は洪水や土砂崩れなどの自然撹乱によって形成される場合と、放棄水田や瓦用粘土採取跡地などのような人為撹乱により形成される場合があると述べている。
今回の調査では林齢が3〜4年の幼齢林が3プロット観察され、平均個体密度は28673.5/haと非常に高密度であった(図2-19)。その全てのプロットは近くに母樹が存在し、その周囲に接した成熟林など陽光を遮るようなものはなかった。これらの幼齢林のうち盛土が行われたと考えられるPlot-7を除いた残りの2プロットの種組成および環境要因を表2-7、表2-8に示した。またハンノキとともにセイタカアワダチソウ(Solidago altissima)が同じくらいの高さ(2〜3m)で繁茂していた。そのうちPlot-21は冠水がみられる立地で、周囲をヨシに囲まれており、地下水位も30cmと浅かった。この株分はヨシ原の中に長方形のような形で存在しているため、おそらく放棄水田のような人為的に撹乱された立地に成立したものと思われる。Plot-13では地下水位は39cmと浅いが、調査期間中に冠水はみられなかった。この幼齢林がどのようにして成立したかは定かではないが、周囲に成熟株分が存在しており、この幼齢林の立地だけが洪水などの自然災害によって裸地になったとは考えにくいことから、このプロットも人為的撹乱によって成立したと推察される。

 

 

 

 

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