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4-3-3. 各種の個体群構造
図2-21-1〜2-21-3にハンノキ、エノキ、クヌギ、ムクノキの4種のDBH階分布を木本での3群落タイプ別に分けて示した。これより、ハンノキはどのタイプの株分でも高木層に分布の山があり、その下層においては個体が全く見られなくなる傾向があり、これは先駆的な種に特徴的な一山型の直径階分布といえる。これに対しエノキはハンノキタイプの株分ではほとんど出現していないが、エノキタイプおよびクヌギタイプの杯分では実生や稚樹が多数存在し、かつ亜高木層と高木層にも個体が比較的連続して存在する、逆J字型の直径階分布になる傾向が見られた。クヌギの直径階分布はハンノキの型に似ており、ハンノキタイプ以外の林分では林冠層の直径の太い個体が出現するが、直径の細い階層には実生としての個体がみられるがそれに続く個体がなく、DBH階の大きい個体と実生しか存在しないことがわかる。ムクノキはハンノキタイプ以外の林分では必ず出現し、表2-4の実生組成表からもわかるように、実生の密度が高木種のなかでは最も大きい。また実生層以上の小直径を持つ個体も多く、エノキと比較してそれ程生長していないが、その個体数の多さから現在侵入しつつある種であることがわかる。

 

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図2-21-1 主要高木種の直径階分布(ハンノキタイプ林分)

 

 

 

 

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