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次的な小林分がほとんどになってしまった(鈴木 1975)。それに加え現在では、河川敷の宅地化、畑地、工業用地、ゴルフ場のようなレクリエーション用地などとしての利用も進み、ハンノキ林はさらに減少している(秋山・鈴木1975、鈴木・新井 1972、建設省1992)。鈴木・新井(1972)は東京周辺のハンノキ林について調査を行い、平野などの林では見られない種が林内に残されていることなどから、このようなハンノキ林の保護の重要性を述べている。しかしながらハンノキ林についての生態学的な研究報告はまだ少なく、種組成と立地環境との関係や群落の動態については明らかでないことが多い。
そこで本研究では、関東地方で最も大きなハンノキ壮今林が残る荒川中下流域の河川敷においてハンノキを含む河畔林の種組成と群落構造を調査し、人為的土地利用や地下水位、土壌の栄養条件の違いにより群落の種組成と構造がどのように変化するか、および河畔林の維持機構を明らかにすることを目的とした。

 

 

 

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