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コナラーミズナラオーダー
 エノキームクノキ群団
 ムクノキーエノキ群集(標徴種:ムクノキ、エノキ分布:関東〜九州)
 ゴマギーハンノキ群集(標徴種:ゴマギ分布:東北〜関東)

3)崩壊地先駆植生

 中部地方太平洋岸に位置する天竜川、大井川、安倍川のように、山の懐が大きく、大量の土砂が流下する河川では、崩壊地やそれに続く大磯の堆積した広い河原を発達させる。このような礫地は一般に土中に栄養塩類が少なく、群落の再生も遅い。新生した裸地には先駆的な1年生や多年生植物とほぼ同時に、ヤシャブシ、ヤマハンノキ、アキグミ、ドクウツギなどが定着し、群落を形成する。また、湿潤な不安定斜面にはフサザクラがみられる。
 崩壊地生と河畔林生の生態的特徴を、ハンノキ属の植物で比較してみると、同じ成長の早い夏緑広葉低木一高木であるが、崩壊地生植物(ヒメヤシャブシ、ミヤマカワラハンノキなど)は幹に弾性があり、なだれや土砂移動に抵抗力があることがわかる。種子は多くは軽いが重力散布で、その寿命はヤナギ科植物に比べれば長い、ハンノキ属のヤシャブシなどは、アキグミなどとともに、根に窒素固定の能力があるのも特徴的で、土壌を肥沃化しながら有機物の少ない河川の礫地への侵入を可能にしているものと考えられる。
 なお、フサザクラ林はタマアジサイーフサザクラ群集としてまとめられ、主に太平洋側の山地渓谷に沿って広く分布し、特徴的な先駆的森林を形成する。

ブナクラス(夏緑広葉樹林)

シオジーハルニレオーダー
 フサザクラ群団
 タマアジサイーフサザクラ群集(標徴種:タマアジサイ、チドリノキ、フサザクラ分布:東北〜中部)

クラスは未定

タニウツギーヤシャブシオーダー(崩壊地先駆低木群落)
 ニシキウツキーヤシャブシ群団
 ヒメノガリヤスーヤシャブシ群集(標徴種:ヒメノカリヤス、ヒメスゲ分布:関東)
 タニウツギ群団
 タニウツギーヤマハンノキ群集(標徴種:ヤマハンノキ分布:関東〜中部)

 

 

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