
6.2今後の課題
1)波浪情報提供の現状における課題
現状の波浪情報提供の課題としては以下のものが挙げられた。
?波浪予測精度の向上
?局所(ポイント)予測の充実
?観測点(実況、予測とも)の増加
2)本研究による気象海象情報提供システムの課題
本研究による気象海象情報提供システム=COMEINSは、アンケートおよびヒヤリング調査での要望事項に沿って、波浪情報提供システムを具体化したものである。
システムでは各種の気象海象情報を情報として表示できるものになっているが、その中の「波浪ポイント予測」については以下の課題を持っている。
?沿岸域や港湾域の波浪予測モデルとして、3日先までについてはよい精度を保っているが、4日先以降についてはやや予測精度が落ちる。
?波高については比較的よい精度であるが、周期、風速については予測精度がまだ十分とは言えない。この原因として、風速については現地の局地性が大きな要因として存在することが考えられ、局地性を考慮したより詳細な風予測モデルを検討することによりさらに精度が向上すると思われる。周期については、4日先以降でやや精度が落ちるが、実測値との検証結果から補正することによりよい精度が維持できる。
?実測波浪による予測修正モデルは、現在から6時間程度先までについて予測精度をさらに向上させる効果があることがわかった。
これらの点については今後さらに検討を加えて改善し、さらに高精度の波浪予測情報を提供できるモデルやシステムを構築したいと考えている。
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