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第6章まとめ

6.1研究の成果

本研究によって、各章ごとに得られた成果を以下にとりまとめる。
(第2章波浪情報の利用に関するアンケート・ヒヤリング調査)
・気象波浪情報入手の実態
気象・波浪情報は、調査を実施した各機関のうち97%にあたる機関が利用しており、また、現在利用していない機関でも良い情報であれば利用したい意向を示し、これらの情報は欠かすことのできない情報として受け止められている。
・気象波浪情報利用の実態
全体では半数が状況の把握に、半数が何らかの分析を行い活動の判断材料として利用している結果が得られ、その精度の評価は分かれるものの、どの業界においても気象・波浪情報は活発に利用されているのが現状である。
・現状における問題点および将来における要望点
波浪予測精度の向上が最大の課題であった。また、将来への要望でも、精度向上の期待と、局所(ポイント)予測の充実、観測点(実況、予測とも)の増加を望む声が多く聞こえた。
(第3章波浪実況情報の提供内容の検討)
・要望の強い波浪情報の抽出
アンケート調査、及びヒアリング調査を行った結果から、波浪情報の精度向上、また局地的な情報が即時に入手できることが希望され、さらに気象・波浪情報がもっと安価に入手できるようになることが希望されている。
・新たな波浪情報の解析方法の検討
現在、波浪の代表値としては有義波を用いているが、今後はスペクトル、mOL等、もっと多くの波浪のパラメータの情報提供が望まれている。
・新たな波浪情報の伝達方法の検討
データを即時に入手できるという点で、情報伝達方法はオンラインデータ配信が特に有効であると考えられる。
・新たな波浪情報の表現方法の検討
提供する情報の表現は、視覚に訴え、さらに操作性が良い事が望まれる。
(第4章波浪情報を含む一元的情報提供システムの検討)
・沿岸地域に災害をもたらす気象海象現象とその要素の抽出
まず風と波の情報を中心とした情報が必要になると考えられる。
・提供する気象海象情報の内容と時間的頻度、空間的密度の検討
風・波浪予測の時間空間密度を現状より細かくにする必要がある。
・気象海象情報提供システムの検討
新たな気象海象情報提供システムとして運輸省港湾技術研究所と気象庁とオンライン接続した沿岸気象海象情報提供システム(Coastal Oceanic MEteoric INformation

 

 

 

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