
4.2 提供する気象海象情報の内容と時間的頻度、空間的密度の検討
沿岸災害は、風、波、又はそれら両方が関与する場合が多い。そこで、提供する情報は風と波を中心とした内容が必要になると考えられる。また、風と波を同時に表現できる内容であることが望ましいと思われる。
次に、これらの情報の時間・空間密度について検討する。現在、気象・海象現象の予測精度は、気象庁が予測する6時間、約10Km間隔程度の時間・空間密度が限界である。しかし、沿岸災害に関連する気象・海象現象、例えば台風による強風や高波を例に取って、情報に必要な時間・空間密度を考えてみる。台風の中心付近が通過する地点では特に風向・風速は、台風の移動に伴って大きく変化し、時間密度は1時間間隔程度が必要であると考えられる。また、台風はとりわけ中心付近では、中心からの位置により風向・風速は大きく変化し、空間密度は数Km程度が必要と考えられる。さらに風、波については、前章では翌日から3日先までのより局地的な精度の高い情報が望まれていることが明らかになっている。
そこで本研究では、予測精度と実際に要求される時空間密度との兼ね合いから、気象庁が行う風・波浪予測の時間空間密度を倍程度(3時問間隔、5Km程度)に改良することが適当であると考え、システムを構築する。
さらに風・波の情報に、津波注意報・海上警報等の情報を付加する事で、より総合的な沿岸防災のための情報の内容にする。
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