第4章 波浪情報を含む一元的情報提供システムの検討
4.1 沿岸地域に災害をもたらす気象海象現象とその要素の抽出
表4−1−1に沿岸災害の種類と、その災害を引き起こす原因となる気象・海象現象、及びその現象に関連する気象、海象要素を示す。
この表は沿岸災害の面から見て、どの様な情報が防災関係者に提供されるべきかを判断する材料となるものであるが、気象・海象要素として多く挙げられているのが、風と潮位が多く、次いで流れ、気圧であり、波浪はこの面からは高波のみである。
しかし、波浪は高潮発生時には暴風が吹いていることが多く、高潮と高波は共存して大きな被害をもたらすことが多い。
そこで、沿岸防災の立場から要求される情報としては、強風や、津波、高潮情報、そして波浪情報が提供されることが望ましく、4.3以降で検討する気象海象情報提供システムにおいてはこの様な点を重視して構築する必要があると考えられる。
表4−1−1 沿岸災害と関連する気象・海象の現象とその要素(文献1)

文献1:磯崎一郎他:沿岸災害の予知と防災一津波高潮にどう備えるか一白亜書房1988年6月
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