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1.4研究開発の成果

本研究によって、各章ごとに得られた成果は次の通りである。
(第2章 波浪情報の利用に関するアンケート・ヒヤリング調査)
気象・波浪情報のは、調査を実施した各機関のうち97%にあたる機関が入手しており、また、現在入手していない機関でも良い情報であれば入手したい意向を示し、これらの情報は欠かすことのできない情報として受け止められている。
気象波浪情報をどのように利用しているかについては、半数が気象・波浪状況の把握に、半数が何らかの分析を行い活動の判断材料として利用しているという結果が得られた。その精度の評価は分かれるものの、どの業界においても気象・波浪情報は活発に利用されていることがわかった。
さらに現状における問題点および将来における要望点については、波浪予測精度の向上が最大の課題であった。また将来への要望でも、精度向上の期待と、局所(ポイント)予測の充実、観測点(実況、予測とも)の増加を望む声が多く聞こえた。
(第3章 波浪実況情報の提供内容の検討))
アンケート及びヒアリング調査を行った結果から、波浪情報の精度向上、また局地的な情報が即時に入手できることが希望され、さらに気象・波浪情報がもっと安価に入手できるようになることが希望されていることがわかったが、現在の波浪情報の解析結果としては有義波が代表的なものであるが、今後はスペクトル、mol等、さらに多くの波浪のパラメータの情報提供が望まれていることがわかった。
また新たな波浪情報の伝達方法としては、必要なデータを即時に入手できるという点で、オンラインデータ配信が特に有効であり、さらに提供する情報の表現方法については、視覚に訴えるものであると共に、操作性が良い事が望まれる。
(第4章 波浪情報を含む一元的情報提供システムの検討)
新たな気象海象情報の一元的提供システムとして、運輸省港湾技術研究所と気象庁とオンライン接続した沿岸気象海象情報提供システム(Coastal Oceanic MEteoric lNfomation System:COMEINS)を検討した。
そしてCOMEINS情報表示端末にて受信するデータの表現方法および、情報表示画面に至る操作方法を検討した。
(第5章 新しい沿岸域の波浪予測手法の開発)
COMEINSの局地波浪予測(ポイント予測)には次の2つの新しいプログラムを導入した。
?港湾技術研究所による「砕波および反射を考慮した波浪変形計算プログラム」
?波浪実況値を用いた「波浪エネルギーに関する予測誤差修正法」
そしてCOMEINSの波浪ポイント予測値を現地波浪で検証した結果、沿岸域や港湾域の波浪予測モデルとしてよい精度をもっていることが明らかとなった。

 

 

 

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