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8. 今後の課題

今年度は、立体格納装置を実用化する上での技術面、機能面及び経済面での検討を実施し、コンテナ自動立体格納装置実現の可能性を高めることが出来た。
今後、実際のコンテナを使用して、特に自動立体格納装置内では天井クレーン用特殊吊具の実機テスト及びAGVを使用して制御性の検証等、実機べースでのテストを期待したい。
また、運用上では本研究で実施した作動シミュレーション通りのターミナル運用が出来る事を検証する必要があるであろう。
技術面では上記項目の早期実現が待たれるが、それ以外にも新しいターミナル実現のために解決すべき課題として以下のものが考えられる。
?行政からの支援
本研究で対象としたようなこれまでわが国で見られない高規格化ターミナルを導入するためには、港湾に係る各種規制の緩和について行政上の支援が不可欠と考えられる。
?財政的支援
新しいターミナルは、従来方式のコンテナターミナルと比較して初期投資額が増加することになる従って、実現促進のためには財政的支援が期待される。
?労使関係の調整
ここで提案した装置により、省力化の進展、労働環境の改善が図られ、我が国コンテナ港湾の国際競争力を高め、その結果、港湾労働者の雇用機会を維持しながら、今後懸念されている労働力不足の解消が期待できる。
この研究では技術的な検討を中心に進めているが、今後導入を検討する段階ではこの旨広く理解を得る努力が肝要と考えられる。
?荷主、船社との調整
輸出入コンテナの受取り・引渡し及び国内二次輸送の円滑化、迅速化を図るため、荷主及び船杜との間でコンテナ物流の情報交換のための体制整備が必要である。

 

 

 

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